2006年07月09日

オーナー経営者&社員の新しい関係(10)


相変わらず相互不信を前提にしたマネジメント組織ですか

切れ目なく無数の経営書が発行され、戦略的な組織論が生み出されてもファミリー企業のビジネス最前線では相変わらず、息苦しいトップダウンによるマネジメントが幅を利かしている。

近代化が叫ばれていても現代の仕事の現場には、不満が渦巻き、抗しがたい挫折感に苛まされ、柔軟性にかけたマネジメントが横行し、回復不全のストレスに満ちている。イノベーションは瞬時にして新旧を明らかにするが、人の考え方を望ましい方向に変えていくには想像を超える時間が必要だ。

どれほどIT化による経営の刷新が叫ばれても、それを扱う人が根本的に似つかわしくなければ、単なる掛け声倒れで終わってしまう。IT化による成果がどれほどであろうと、実施したことに意義を見出しているファミリー企業が何と多いことだろうか。

よく考えなくとも分かるが、コンピューターネットワークやシステムロボットによる製造ライン、デジタルコミュニケーションシステムなどはすべて、扱う人の進化の具合によって得る成果もプロセスも異なってくるのは確かだ。進化がもたらす順応不全がまだら模様に起きていて、異業種間のファミリー企業ネットワークが繋がらない。

ある意味では、現代のファミリー企業はさまざまなIT情報に追いかけられ、未消化のまま次のステージに追い立てられている感がする。ファミリー企業が受けている「逆境」はかってなく強い。この逆境をどのように克服していけるのだろうか?あるいは退却してしまうのだろうか。

今回もあなたのために4択の設問を用意しました。また正誤にこだわらず、会社や組織のポジションと状況を把握する材料にしてくだされば幸いです。



51) 社員に対して、あなたは

 @ 居丈高な態度を示すことが多い

 A 優越感を滲ませている

 B 礼儀には礼儀で対応するようにしている

 C 相手の立場を尊重する態度で対応する


52) だれが会社のリーダーかに、あなたは

 @ 強権を通じて絶対服従を徹底する

 A 常に誰がリーダーかを分からせようとする

 B 仕事を通じて誰がリーダーかを誇示する

 C 自分ではなく周りがリーダーと認めてる


53) 会社の危機に際して、あなたの評価は

 @ 危機管理を任せられないと思われている

 A 会社の将来が危ういと噂されている

 B 危機を回避する能力があると言われる

 C 危機的状況を作らない先見の明があると言われる


54) あなたは、仕事で何を重視しますか

 @ ミスのない完璧な仕事ぶり

 A 時間はコストだと言う迅速さ

 B 目配り気配りの利いた仕事ぶり

 C 状況に応じた完璧さと迅速さを要求


55) 仕事の第一線で、あなたは

 @ 何でも口を出すが中途半端に終わる

 A 経験ばかりを押し付ける

 B 部分的に口は出すがほとんどは任せていく

 C 口は出さず相談は受ける



次回に続く。
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2006年07月07日

オーナー経営者&社員の新しい関係(9)


「蟻の一穴」とは小さな穴が巨船を沈めることと同じだ

成功したファミリー企業のオーナー経営者は、尊敬の念を表さない社員を嫌うことが多い。また就業時間の長さや賃金に不平を言うのを聞くと、そういうことは創業者である自分への侮辱であると受け取ってしまう。自分が創業したビジネスは神聖とは言わずとも、文句を言う対象にしてはならないと思い込んでいる。逆境から這い出てきた企業ほど、その傾向が強いのはどうしてか?

その意味では守旧主義者的であり家父長的意識の持ち主だといえる。会社の決まりではできないことを、オーナー経営者が個人的に困っている社員の家族を応援したりすると美談になるが、こうした一時の同情的な行動を勘違いするやり方は、人間関係に影響することが少なくない。

人に絡んだことが原因で、ファミリー企業は塗炭の苦しみを味わうことがある。会社が成長する過程で創業から苦労してきた社員は、苦労が報われる前に存在感が少なくなることがある。大組織ならば人事異動も考えられるが、ファミリー企業の組織ではそうは行かない。

成長に必要な人的資源の要求に応えられない古参社員たちの苦しみが見て取れる。こうした場合に、オーナー経営者はどのような姿勢をとるべきなのだろうか。資本や組織や体力に無理がかからない程度に、人的能力の向上プログラムを充実させ、彼らの能力を生かし発展させられる仕事を開発したらどうだろう。

小さな組織では、会社に都合の悪い情報があっという間に知れ渡る下水溝がある。いったんこうした構造ができると、良くも悪くも会社のもう一つの風土となっていく。そうなると簡単にはなくならないし、増幅する一方である。社員が、将来の自分たちのポジションや役割に不安を抱いていることに、リーダーは無関心であってはならない。

いかに社員の心を掴みやる気を持たせることができるかは、ファミリー企業リーダーのリスクへの姿勢次第である。今回も4択の設問を用意した。正誤を超えて自社のポジショニングをして欲しい。


46)会社の中と会社の外であなたの会社の社員の表情は

 @ 会社では無表情で暗い

 A 社内では子供のように従順だ

 B 社員の表情に無関心ではない

 C はつらつとした仕事ぶりを大切にしている


47) リーダーが大切にする人は

 @ 盲目的に忠実な社員

 A リーダーに異を唱えない者

 B 自分の意見を表現できる者

 C 創造的で革新的な意見を表現する者


48) あなたにとって社員の能力向上プログラムは

 @ 投資効率が期待できない

 A 特定の個人を対象にする

 B 個人的な意思に任せる

 C 社員の成長は会社の資源である


49) あなたにとって仕事環境の変革とは

 @ 直ぐに変えるべき状態にない

 A 社員から不具合を表明されてない

 B 社員が提唱したら考える

 C 仕事の満足とストレスのない職場作りを考える


50) あなたは社員の起業家精神を

 @ 組織の協調性を無視するものは辞めてもらう

 A 組織に影響せず会社に返す形ならいい

 B 会社に都合がよければ問題にしない

 C 発展的に推進し応援する


次回に続く!
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2006年07月03日

オーナー経営者&社員の新しい関係(8)


家父長的な振る舞いがビジネスにいい結果をもたらすのか?

ドイツのファミリー企業において、今でも従業員に対して家父長的な接し方をしているオーナー経営者は少なくない。それも単に、伝統的なファミリービジネスと言うだけではなく、製品の分野で世界シェアーの半分近くを占めている中核的な企業においてである。

そのオーナー経営者のX氏は、自社の技術力と製品の競争力に大変な自信を持ち、マーケットの信用こそがファミリー企業の最大の財産であると言って憚らない。彼の経営スタイルは非常に合理的な反面、オーナー経営であるが故のジレンマを無意識のうちに抱えている。

例えば、社員の発想や自主性を非常に尊重し、社員の従うべき社内規則はきわめて少なく、出張に際してもホテルや乗り物の等級などは一切決めてない。あるのは「会社の金は、自分の金のように大切に使うこと」という、一人ひとりの常識を求める一文だけである。

この基準で社員たちはヨーロッパはもちろん世界中を飛び回っていて、不具合が生じたことは殆んど無いそうである。年間を通じて精査を必要とする清算が少ないことが立証されている。規則だらけの会社にするか否かは、オーナー経営者が社員たちを心から信頼しているか否かと、社員たちもその信頼関係に積極的に応えているかにかかる。

ある意味では、社員の自主性をとことん重視した近代的ともいえる社内規則を設けているが、社員の人事関係や就業態度などには家父長的な判断が優先されると言う。経営によほど自信がある故なのだろうか。ドイツやイタリアのファミリー企業においては、こうした家父長的なオーナー経営者は珍しくない。

今の日本では、分厚い辞書のような規則が重視される組織であり、人間関係となっている。あなたの会社ではどうなっているだろうか。さて、今回も4択の設問を用意した。どのような選択になるだろうか。組織の成否を将来的にどう判断するかチェックしてみてください。


41) あなたの会社の販売計画は

 @ 社長が決める

 A 経営会議で決める

 B 部門長会議で決める

 C 個人申告を部門長が調整する


42) あなたの会社のマネージャーとは

 @ 権威と権力の塊り

 A 権限と責任を果たす象徴的存在

 B 社員のやる気を引き出す人

 C 意思決定の触媒的存在


43) あなたの会社は組織の権威主義を

 @ 大切にしている

 A これからも維持する

 B 徐々に変えていく

 C 時代に沿うようかえる


44) あなたの会社は年長者を

 @ 理由を問わず尊重するもの

 A 比較的大事にする

 B 徐々に能力主義に移行する

 C 能力主義にしている


45) あなたの会社にとって社員とは

 @ 経営者と雇用者の関係

 A 規則に従う従業員である

 B 将来のリーダー候補者である

 C 経営のパートナーである


次回に続く。

 
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2006年06月27日

オーナー経営者&社員の新しい関係(7)


権限委譲に対する恐怖心と誰かに変えられる恐怖心

この仕事においては自分よりもできる人間はいない。たとえ長年にわたり部下として仕事をこなして来たといえども、自分を超えるものではないとオーナー経営者は思うものである。

そうした確信はその仕事を他人に任せれば、絶対に自分よりも上手くいかないと深く信じているからである。ファミリー企業では、オーナー経営者が営業部長など最前線の責任者を兼務することは珍しくない。

しかし、いつまでもそんなことは続けられない。アップダウンが激しいものの何とかビジネスが上昇しつつある場合には、人の採用もあり組織もそれなりに大きくなっていく。

かっては誰にもできないと思っていた仕事が、いまやそれをこなしてしまう部下が生まれてきた。こうした出来事はオーナー経営者にとって、自分の存在価値が相対的に低下するのではないかと不安になる。

仕事を誰かに取って代わられるのも時間の問題ではないか、と言う疑心暗鬼が生まれてくるのもこの頃と言える。その結果として、自分はどの分野でも欠けてはならない存在だと自分に言い聞かせてしまう。

休みも取らず、短期間会社を留守にしても連絡先を明示して、いつでも連絡と指示が徹底できるようにしている。こうした旺盛な仕事への関わり方や積極性は、本人は自己満足とともに他人の賞賛をも内々期待しているのだ。

こうした姿勢で仕事の結果を期待することは、きわめて強制的な上下関係の前提が必要となる。オーナー経営者は、社員の組織配置と信頼の創出を前提にした人間関係を生み出す責任がある。

今回も4択の設問を用意した。正誤はともかく自分と会社のポジショニングをして欲しい。


36) あなたが人を動す時は

 @ 恐怖心を故意に与えてしまう

 A 自然と怖がられている

 B 不信感を消すようにする

 C 信頼感を育てるようにする


37) あなたに部下から提案があった

 @ 苦々しく思う

 A 経験と立場をわきまえろと思う

 B ルールにのっとって聞く

 C いつでも聞く用意がある


38) 社員を解雇するとき

 @ 解雇は当然だと思う

 A やっと解雇できたと思う

 B 当人の立場を考慮した説明をする

 C 他社への推薦文を書く


39) いわれなき協調性を強要する

 @ どんな指示でも守れない者を処罰する

 A なんでも命令通りにしないと腹が立つ

 B 柔軟的な協調性を要求する

 C 多様性を尊重し目標への協調性を求める


40) 決定権を部下に渡せるか

 @ 決定権はトップにだけある

 A 決定権は組織にのっとってある

 B 組織から上がってきた決定を尊重する

 C 現場の決定を優先する


次回に続く!
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2006年06月20日

オーナー経営者&社員の新しい関係(6)


会社には目に見える公式な組織インビジブルな組織がある

組織には漢方薬のように、じっくりと体質を強化するような手段が効果を発揮する場合もあれば、外科手術が必要な場合もある。往々にして組織に手をつける場合は、緊急な外科手術を必要とすることがほとんどだ。悠長に構えていられない理由は一旦出来上がってしまった組織ほど改造が難しいからであり、社員たちにとっては居心地のよい空間だからである。

会社の風土や社風と言うのは、実はリーダーの性格などでできていくのではなく、それを受け止めた社員たちの日常の言葉や態度などで徐々にできていく。組織の中にできていく風土と言うものは、よかれ悪しかれリーダーの指示よりも強固な場合がある。

いい例を社訓に見ることができる。社訓を掲げて社内に徹底することは、長い目で見ると成功につながるだけに大事なことだ。しかし、会社の指示を理解し解釈し行動に移していくのは、社風を作り上げた社員そのものであることを、ほとんどのリーダーは知っているようで理解していない。

だから社訓が額の中に納まっていたりネームタグに社訓が書かれていても、実感できるほど効果が上がらないのは、リーダーが現場をよく知らないか無視しているからである。かといって彼らのやり方を過大に評価すると、やがて会社の方針や指示命令が徹底されなくなる危うさにつながる。

仕事に必要な実用的知識は、実は社内の組織単位か先輩後輩の関係の中に埋もれている。実用的な情報が、いかにこうした非公式ルートですばやく伝わるかを知るには、社員の採用や退職情報などがいい例となる。たいていの人は人事の公式な発令よりも、内部情報の方が早いことを経験し知っている。個々人や組織の先輩後輩たちが、経験の中で積み重ねてきたのが、その組織なりの知識でありやり方だ。

口から口へと伝えられていく情報の力を過度に評価してもいけないが、無視はもっといけない。なぜなら、組織はもともと合理的な結果を追求するために、話し合うようにできているからだ

今回も四択の設問を用意した。正誤を競うのではなく、自社のポジショニングを知るために取り組んで欲しい。


31) ボスは批判されるとどんな態度ですか

 @ 批判をほとんど無視する

 A 否定的な態度をとる

 B 聞くような姿勢をとる

 C 聞き分けて受け入れていく


32) チームの業績を上げるためにボスは

 @ 業績グラフなどで競争を煽る

 A 成績上位者を表彰する

 B チームの達成内容で評価する

 C チームの達成感を重視する 


33) チームの業績が上がったときボスは

 @ 部下の手柄を横取りする

 A 業績を上げた人の仕事をけなす

 B 貢献した人を認め評価する

 C チーム力を理解させ評価する


34) 威厳を保ちたいボスは

 @ 絶えずボス的な扱いを強要する

 A 地位職階で呼ばせる

 B ボスが誰かの振る舞いが見られる

 C ボスが誰かは聞かないと分からない


35) リーダーらしいボスは

 @ 頭よりも体を動かせと言う

 A 唯々諾々と働く社員を評価する

 B 社員同士の話を嫌う

 C 仕事に責任ある社員として対応する


次回に続く。
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2006年06月16日

オーナー経営者&社員の新しい関係(5)


アントレプレナーが成功するには、勤勉さと努力だけでは何かが足りない

朝早くから夜遅くまで働けばビジネスの成功者になれると言うのは、まじめに働きさえすれば、誰でもひとかどのオーナー経営者になれるとでもいうようなもの。努力を結果と混同しないことだ。だが大概のファミリービジネスの経営者はこの領域から脱していないどころか、その大いなる信奉者のようだ。

じつのところ、成功したファミリービジネスのオーナー経営者が本音で語るならば、「運に恵まれた」「タイミングを逃さず挑戦した」「時には強引だった」「自分の判断を信じた」等々、努力を前提に言うだろう。努力を結果に結び付けるためには別の触媒がなければ、単に流した汗が乾くだけで終わってしまう。

一滴の汗の向こうに目指した目標やビジョンがあり、成功への目標達成意欲が誰よりも強いことが結果に結びつくと、ある成功者は語る。目標達成に向けた行動から得た経験や教訓は尊いものだ。

ただ失敗したことは道順を辿り説明できるが、成功だけは道順を戻りどうして上手くできたかを説明しにくいとも言う。ファミリー企業の職場とはどういうものなのか、それを改善するにはどうしたらいいのだろうか

前回に続き4択の設問を用意した。ビジネスが成功し利益を上げるだけではなく、そこで働く社員たちの生活の向上がどう果たせるかについて、ともに考えていくものである。

26) 組織の壁がコミュニケーションに悪影響を与えている

 @ 組織の縄張り争いが強い

 A 組織間の交流があるようでない

 B 組織間の交流を円滑化する方向にある

 C 組織の壁を無くす方向にある


27) 会社は常識よりも規制が好きである

 @ 会社を出るとき持ち物検査がある

 A 名札や身分証明書を胸につける

 B 個人の尊厳に気配りした方法をとる

 C 個人の常識的判断を大切にし仕事に生かしている


28) 中間管理職は権力のシンボルに固執する

 @ なんとしても権力のシンボルを身につけたがる

 A 名札に地位の表記がないと不満である

 B 権力と責任への理解が進んでいる

 C 権力を誇示しなくとも組織は動く


29) 会議の発言は肩書き順が不文律

 @ 発言は堅苦しい肩書き順になっている

 A 一番偉い人が発言すると後は順不同

 B 会議のリーダーが発言を取り仕切る

 C 発言は自由で強制されない


30) 直属の上司は部下の社員に威圧的である

 @ 常に強圧的で恐れを抱かせる

 A 権限と権威を乱用し不安を抱かせる

 B 部下の精神状態に無関心である

 D 安心と手堅さを感じさせる


次回に続く!
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2006年06月13日

オーナー経営者&社員の新しい関係(4)


目から鱗の体験は役に立たないことが多い

中小企業(ファミリー企業と捉えた本はない)に関する本は毎月毎年山のように印刷されて書店に並ぶ。そのうち幸運にも読者に買われて読まれる率は僅かの6割に満たない。また本を読み感動し、更にそのセミナーに参加することで「目から鱗だった」と感動するが、果たしてその人は仕事の現場にそれを役立てているのだろうか?

多くの人はメモを取り、帰ったら早速実行してみようと勇んでみても「木に竹を接ぐ」ようなやり方は、結局上手くいかないことを知らされる。恐らくその人は、やるべきことがわかっていながら行動しないリーダー(オーナー経営者)なのかもしれない。自分で考え、実践し、責任を受け入れることが怖い人なのだ。

世間ではいろいろな資格を持った人たちがいて、難問をたちどころに解決するみたいな台詞が吐き出されてくる。実はその人たちの多くは実践で鍛えられていないし、仕事の経験者ではない。助言者は専門知識を駆使して別の見方を提案し、当該ビジネスとの比較ができることに価値を見出すべきである。

当事者(オーナー経営者)は、やるべきことが分かっていながら何故実行できないのか。何かがその人の知識の実践を阻止しているのだ。人よりも多くの知識を持てれば、より多くの実践を伴うことができるのだろうか?疑問はなかなか解けない。

しかしよく考えてみると、良く働く人とは理論もあり創造的だということに気がつきませんか?創造的だと言うことは、人よりも多くの試行錯誤(simulate)を経ていること。その上で高い自立性があり、判断の独立性が備わっていることを知っていただきたい。

新しい事業やアイディアなどを判断することにおいて、ファミリーや社員たちが反対することや馬鹿にされる恐れがあっても、自分の考えを提案する意思の強さが求められる。

反対や社内の圧力を振り払い、「一人で責任を引き受けやってのける」力も必要である。行動にはこうした性格が裏打ちされている。

前回の続きです。設問に四択の答えを用意しています。あなたや会社は、果たしてどのような対応をするのでしょうか。


21) 大切なアポイントなのに渋滞で大幅に遅れそうだ

 @ 遅れたために仕事がなくなり大変だとパニックになる

 A 遅れることにイライラして怒りをぶつける

 B 遅れる状況を説明し詫びる

 C 遅れを詫びて、善後策を提案しクライアントの意向を聞く


22) 父親があなた(後継者)の決定に不満を持っている

 @ 経営に権限と責任を持っているのは自分だと伝える

 A 不満の理由を聞く場を設ける

 B 不満解消のための家族交流をする

 C 家族会議と取締役会でしっかりと対応する 

 
23) あなたは取引先への賢い対応ができないため信頼を失った

 @ そのうちに古参社員が何とかするだろう

 A 先代同道のうえ信頼を回復しようとする

 B 取引先との契約や人間関係、マーケットを良く学ぶ

 C 誠実な人格を養成し道徳性の高い生活態度を身に着ける


24) あなたは会社に重要な二者択一の決断を迫られている

 @ 重要な意思決定は取締役会で決定する

 A 選択肢をできるだけ増やすようにする

 B 部下や社員の参加を促し行動する

 C 挑戦と責任を引き受けすべてを受け入れる


25) あなたの経営能力が社の内外で批判された

 @ よくある批判と無視することにする

 A 批判に対して徹底的に反論する

 B 批判に耳を傾ける姿勢を持つ

 C 批判を受け入れ、改善への対応をする


簡単な設問だがあなたはどうするだろうか?次回に続く。

 
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2006年06月08日

オーナー経営者&社員の新しい関係(3)


優れた人物とは、失敗を認め問題を認める人を指す

73%の人がMBAで学んだスキルが役に立たないと悩むらしい。特に人を扱うことに関して言えばまさにその通りといえる。ファミリービジネスにおいて後継者が悩むのは、先代に仕えていた古参社員との関係だ。古参社員たちは後継者のリーダーぶりを良く見ているばかりか、お手並み拝見と高をくくり見ている。

経験が深く能力のあるそんな社員が使いにくいために、口は達者で手足が動かない若い社員を使いたがる傾向にある。自分の非力を省みず、徒に人の入れ替えや配置換えを繰り返すのは得策ではない。古参といえども、長いキャリアと非凡な能力を経営に生かし使うことが、後継者に課せられた課題といえる。

そんな課題に直面すると大概の後継者は、能力のある古参社員を縦横に使えない自分の失敗を認めないばかりか、自分の正当性を主張するために、使えない部下だと切って捨てることがある。これでは、そのファミリー企業には知識や文化が伝承されていかない。

せっかくの部下の能力をどうすれば生かせるのだろうか。部下は自分やファミリービジネスをどのように思っているのだろうか。あなたは、社員がやがて誇りを持つようになる質問や意見をすることができるだろうか。あなたにとって社員がどれほど大切な存在であるかを、あなたは気後れすることなく態度で示すことが必要だ。

前回同様設問に四択の答えを用意した。果たしてあなたと会社は、部下からどのように見られているだろうか。部下は何をどう考えているのだろうか?


11) あなたは感情の起伏が激しい
 
 @ あたり構わず部下に八つ当たりする

 A 怒りに任せて文句をいう

 B なかなか平静に戻れない

 C 何事もなかったように平静に戻れる


12) ストレスが起こらない職場にしているか

 @ 社内競争が激しく足の引っ張り合いが多い

 A 競争が激しく気持ちが落ち着かない

 B 不必要な競争心を煽らない

 C 社内の上下左右の壁を取り払っている


13) 会社は真実を語っていますか

 @ 社内にも社外にも真実味が足りない

 A 正直さが評価されない組織だ

 B 正直さを大切にする組織だ

 C 個人の意見を自由に言える


14) あなたの決定を従業員が反対したら

 @ 反対を押し切り自説を通す

 A 反対意見を聞き、自説を通す

 B 反対意見の正しい部分を取り入れる

 C 決定に社員を参加させる


15) あなたの会社の規則は

 @ 百科事典のようだがまだ足りない

 A 問題が起こるたびに増えていく

 B 規則ばかりに頼らない

 C 臨機応変でよい


16) あなたのマナー違反を従業員が指摘したら

 @ 自分は正しいと白を切る

 A 単純に否定し腹を立てる

 B その場では直さないが今後に生かす

 C 正直に部下に礼を言う


17) あなたはいつもこのように思われている

 @ 情緒不安定な人だ

 A やや情緒不安定な人だ

 B 情緒がやや安定している人

 C 情緒が安定した人


18) あなたの判断について

 @ アンフェアーな判断をする人

 A どちらかというとアンフェアーな判断をする人

 B どちらかというとフェアーな判断をする人

 C フェアーな判断をする人


19) 従業員の仕事ぶりについて

 @ 見た目だけで決め付けようとする

 A 担当上司の意見を聞こうとする

 B 結果とプロセスの両方でみる

 C チームワークを大切にする


20) 報告の簡潔さについて

 @ 内容よりも報告の形が評価される 

 A 詳細な報告が評価される

 B ある程度単純な報告が評価される

 C すべて簡潔であることが評価される
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2006年06月04日

オーナー経営者&社員の新しい関係(2)


ファミリー企業の持続路線か成長拡大路線化か

そもそもファミリー企業というものは恐ろしく寿命の長い企業もあれば、短命に終わる企業もある。経営の安定度が高く繁栄を続けられる企業は少なく、三世代を超えて存続するファミリービジネスは数えるほどになってしまう。

わが国では定量的なデータがないので数字に出せないが、アメリカでは創業から数えて約五分の一強しか生き残れない。途中でM&Aで売却する場合もあるだろうし、ファミリーが分裂して株が分散し継承が続かなかったという例もありさまざまである。これが孫の時代以上ともなると、存続するファミリー企業は5パーセントにまで下落してしまうという。

ファミリー企業が将来を生き抜くためには、世代交代を基本原則として経営課題、ファミリー課題に組み込み、原則を議論するファミリー会議を奨励し運営することが求められる。

ファミリーオーナーには権力だけではなく権威も備わっていると考えがちだが、権威は株式や地位からではなく社員やファミリーたちの尊敬心から生まれることが大切だ。

ではファミリー企業のオーナー経営者は、社員やファミリーから一体どのように思われているのだろうか。また気になる」後継者は果たしてどのように理解されているのだろうか。社内や社外の評判はそのまま商売にも影響してくることがある。

それだけに気になるところだが、敢えてこれまでは気にしないようにしてきたが、ファミリー企業の節々において無視できないような状況もでてきた。自己診断してみる気持ちが強くなっている自分に気がついた。以下に示した項目はそれぞれ四択になっている。あなたの選択はどうだろうか!


4) 社員やファミリーに対して後継リーダーは

 @相手に対して尊大な態度をとる

 A相手に対して無視する態度をとる

 B相手に対して礼儀のある態度をとる

 C相手に対する尊重の姿勢をとる


5) 後継リーダーの下で働く人は

 @恐怖心に縛られている

 A心が休まらない

 B感情を出さずに無関心を装う

 C安心していられる


6) 職場で人手が足りないとき後継リーダーは

 @先ず聞く耳を持たない

 A提案では採用をしない

 B思いついたとき採用する

 C臨機応変に採用する


7) 重要な約束をすっぽかした後継リーダーは

 @社員の忠告に腹を立てる

 A忠告を無視する

 B仕方なく聞く振りをする

 C耳を傾けやり直しをする


8) 仕事と私生活のバランスが崩れている後継リーダーは

 @いつもイライラして取り付く島がない

 Aイライラしているが相談には乗る

 B嫌々ながら回復するように仕向けていく

 C自ら正していくようにする


9)自分の指示に反論された後継リーダーは

 @沽券にかかわると怒りをぶつける

 A反論を無視する

 B議論をする余地を与える

 C過ちをただし正しい意見を採用する


10)会議を自分の演説会にする後継リーダーは

 @社員の意見を聞かない

 A意見を聞く振りをする

 B意見は聞くが余り取り入れない

 B率先して有意義な会議にする
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2006年06月01日

オーナー経営者&社員の新しい関係


社員はオーナー経営者の顔色を窺っている

経営における民主主義ほど難しいものはない。マネジャーや取締役だけではなく、すべての従業員たちが、会社の意思決定に参加できるという意味での民主主義は実現不可能に近い。

ファミリー企業では一人の個人が最終的な決定権を握っている。そうでなければ自分がリスクを犯してベンチャー企業を作る必要がない。

創業後のビジネスの定着と発展とは、ただでさえ強力な経営者が自分の思い通りに振る舞い、個人的な性癖を辺り構わず行使している。ビジネスを誰よりも知りぬいているのは自分であり、権限を集中させているのはそのほうが能率的であり、ビジョンの実現に近くなるからだという。

オーナー経営者兼営業部長、兼経理部長となり会社のマネジャーの意見を、大人気なく排除して自説を押し通すファミリーオーナー経営者は、社員たちからどのように思われているかを知る必要がある。気がついたら誰も後ろにいなかったと言うことにならないためにも。

次に挙げる設問を、あなたご自身のアセスメントとして活用することをお勧めする。下の者から、あなたがどう思われているかを自ら選択してみること。

1) 社員が小さなミスをおかすとオーナー経営者は・・・
  
  @ミスしたことをなじり、ミスの原因やプロセスを聞こうとしない

  Aミスで怒っているが、理由などの説明を聞き話しあいができる

  Bミスを受け止め、再発しないように前向きに話しあえる

  Cミスそのものではなく、バックグラウンドに気を配る

2) オーナー経営者の日常は

  @いつも気持ちが張り詰めていて余裕がない

  Aたまにはリラックスするときもあるが少ない

  Bいつもは平静でいられるが、問題に過剰反応する

  C普段から平静でリラックスしている

3) オーナー経営者のつくったプロジェクトは

  @会社を危うくする、子供じみた思いつきにすぎない

  A命令には従うが、責任を押し付けられたくない

  B仕事だから一定の範囲で努力はする

  C今の状況を改善する力がある

次回に続く・・・
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